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まのめのロイン
第3章 仕返し

「やーちゃん! はいこれ!」

 しののんが私に向かって差し出したのは昨日貸したばかり小説「モルテン☆すとりっぷ」だった。

「ええっ!? もしかしてもう読んだ?」

 目を丸くする私を見て、しののんが笑う。

「読んだよ~チョー面白かったぁ~! ありがとう! 朝までコースになりそうでヤバかったぅ!」

「えー? 何時まで読んでたの?」

「四時ら~」

「うわーよく起きれたねえ」

「起きれたのはいいけど、眠い眠い!」

「もしかして授業中寝てたとか?」

「それがのぅ……」

 しののんがしょげてみせる。

「今日ってアタシの出席番号やん? 全時間睡魔と戦いながら必死だったよぉ」

「うわっサイアクー」

「ムカつくんさぁ! 必死で今か今かって頑張ってんのに、どいつも全然当てないんよぉ! 一番最初にパッっと当てろっての!」

「アハハハ……」

 私たちは二人でけたたましい笑い声をあげた。

「……で、どーだった? どこが一番面白かった?」
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