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まのめのロイン
第3章 仕返し
「しののんて呼んで!」
「わかったわ、大石さん」
「わかってないー! ぶぅー!」
「うふふ、私恥ずかしがり屋なの。いきなりしののんなんて可愛い呼び方できないわ。でもそのうち、そのうち……ね」
「ならいっか!」
しののんがドスン! とベンチに腰を下ろす。
私は慌てて飛び跳ねた箸箱を押さえた。
しののんは本当に無頓着だ。
でも優しい。
私が自分の名前を嫌っていることを知って、人前では「ゆうこ」って呼んでくれる。
それなのに二人きりだと中学時代の「やーちゃん」になってしまうのが、しののんらしい意味不明な所なんだけど。