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彼色に染まってく…
第2章 2人の想い
『そういや佑貴さー
まだ綾乃先輩と
付き合ってんの?』



ふいに教室の中から聞こえた

衝撃の一言に…


廊下にいた私は

完全に


フリーズした。


一緒にいた凪も
それを察した様子で



2人して黙って


教室の中の会話に
耳を傾けた。




親友の凪にだけは

佑貴と距離を置いた
いきさつを話していた。







『いーや
とっくの昔に別れた…

ってか…
知ってんだろー』


ボソボソと

けだるそうに話す
佑貴の声…




『そりゃ知ってっけど

この間


綾乃先輩と一緒にいる
とこ見たからさ~。



もしかして…
よりもどしたとか?』



男友達は
からかうように言う。



『あー…

そんなんじゃねーよ


あの………』


なんと


このタイミングで
始業ベルが鳴った!




佑貴の最後の言葉が
聞き取れないまま…




凪に手を引かれて
教室に入る。




ショックを受けた
私の姿に気づいたのか




視界の端に映った
佑貴は…



少し焦っていたように
見えた。






授業が始まっても


さっき聞いた会話が
頭から離れない。



そもそも佑貴に
彼女がいたなんて
全く知らなかった…



綾乃先輩…って…




そういえば…!




中学の頃は


私も佑貴もそれぞれ
部活をやってたから…



今ほど
いつも一緒ってわけではなかった。



私は吹奏楽部で


佑貴の入ってた

野球部の試合を


応援しに行ったことが
何度かあった。





確か1年の頃…


野球部の

マネージャーしてる


3年生で



すごく

綺麗な人がいた…



確か…

綾乃先輩って
呼ばれてたような…


実際


そんなに近くで
その先輩を見たこと
なかったし



なんとなくの記憶しか
なかったけど…






私はこの間目撃した

佑貴と一緒にいた
女の人を思い出した。




あれが…


綾乃先輩…?


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