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双子の月
第2章 二夜

翌日の夕方、次郎は営業先の会社を後にして、先日行った居酒屋に向かった。
「あれ?長沢課長!」
営業先の担当課長が陽子の隣に座っていた。
「あー、そういうことだったのかぁ。こりゃまいったなぁ。」
頭を掻きながら、課長の前に座り、勝手に陽子とのツーショットを期待していた次郎は自分を恥じた。
「こんばんは。よく来てくれたねぇ。」
長沢課長の眼鏡の奥がキラリと光ったように見えた。
「陽子さんとはお知り合いだったんですねぇ。僕、陽子さんとは高校時代の部活の先輩後輩になるんですよ。」
「どういうお知り合いなんですか?」と口にしかけたが、この際詮索はやめようと言葉を飲み込んだ。
(どうせ愛人か何かなんだろうなぁ・・・)
と、心の中で思った瞬間。
「僕の嫁なんです。」
長沢は静かに言った。
(えーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ)
喉から何か飛び出してきそうだった。
「まぁどうぞ。」
差し出したグラスがちょっと震えた。
「あれ?長沢課長!」
営業先の担当課長が陽子の隣に座っていた。
「あー、そういうことだったのかぁ。こりゃまいったなぁ。」
頭を掻きながら、課長の前に座り、勝手に陽子とのツーショットを期待していた次郎は自分を恥じた。
「こんばんは。よく来てくれたねぇ。」
長沢課長の眼鏡の奥がキラリと光ったように見えた。
「陽子さんとはお知り合いだったんですねぇ。僕、陽子さんとは高校時代の部活の先輩後輩になるんですよ。」
「どういうお知り合いなんですか?」と口にしかけたが、この際詮索はやめようと言葉を飲み込んだ。
(どうせ愛人か何かなんだろうなぁ・・・)
と、心の中で思った瞬間。
「僕の嫁なんです。」
長沢は静かに言った。
(えーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ)
喉から何か飛び出してきそうだった。
「まぁどうぞ。」
差し出したグラスがちょっと震えた。

