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双子の月
第3章 三夜
 朋子はしばらく鏡を眺めていた。


 部屋のまわりを見渡しても、鏡の中に映っている人はいない。


ゾクゾクっーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 全身が粟立った。

「誰なのっ?」

 鏡に向かって朋子は叫んだ。



 しかし鏡は黙って部屋を逆に映し出しているだけだった。鏡に映ってみえたのは、太陽の光に揺れる朋子の影だったのだ。


(気のせいかぁ・・・)


(それにしてもベッドがきれいになってるなんて・・・)





「そんな不思議そうな顔しないで。私が直したのよ。」



 ふいに後ろから声がした。
 心の中から聞こえてきたのかと思った。


 それは自分の声だったから。


「えっ!」


 振り返ると、全裸の朋子自身が立っていた
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