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双子の月
第1章 一夜
(あれ?)



さっきまで自分で慰めて、汚れていたはずのベッドの上は、きちんと整っている。


どちらかというと几帳面な性格の朋子が毎朝置きぬけに整えたときのように。

ベッドの近くにある姿見の鏡を見ると、朋子がそれを見ている方向にもう一人見える。


「はっ。 だ、だ、だれ?」



部屋には誰もいない。声の届く方向にも誰もいない。しかし姿見の鏡の中には誰かいるのだ。



(お昼なのに幽霊???)
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