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双子の月
第1章 一夜
もちろんそこには誰もいなかった。



・・・。




しかし、そこには小さな白い箱が置かれていた。置いてあるというより、置かれている感じだ。


(あ、やっぱり誰か来たんだ・・・)




朋子はその白い箱を拾いあげると、何か手がかりでもあるのかと箱の底や側面をぐるっと見たが、何も書かれていなかった。


朋子は首をかしげながら、玄関に鍵をかけた。



その箱は軽く、テープで止めた様子もないので簡単に開いた。


中にはキラキラと光るDVDのようなものが一枚入っていた。



(あー、DVDなんだぁ。)



(でも、誰なのかな?夫が映画でも誰かに貸してたのかしら・・・)





「あっ、いっけな~い。」



朋子はシーツの片付けがまだだったのだ。

箱ごとその場に置きっぱなしにして慌てて2階の寝室に戻った。
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