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夢想姫の逃避録
第10章 崩れ去る幸せな日々
黒い炎はみるみるうちにお坊さんを包み込んだ。
でも、あっという間に炎は消え去った。
お坊さんは何をしたわけでもない。
熱さで騒ぐわけでもなく、ただじっとしていただけだった。
緋奈以上に、ユウガのほうが呆気にとられていた。
といより、顔面蒼白だった。
「嘘だろ……なんで……」
脳内パニックの様子だった。
「お前の正体はわかってると言ったはずだ、アスモデウス。色欲の悪魔め……」
「アスモ…デ…?ん?色欲…悪魔…?」
緋奈も脳内パニックで頭の中がこんがらがっていた。
「この娘に近づくなと中世時代にも散々火炙りの刑の際に警告されたはずだ。なのになぜまた今になって近づいた!?」
「うるせえ!黙れ!俺はシェリーも生まれ変わりの緋奈もどっちも愛している。火炙りの時、俺はシェリーに誓ったんだ。生まれ変わっても愛し続けるし守るって。探して探して探しまくって、やっと見つけた緋奈は酷え虐待を受けていた。見てられるわけ無いだろ……?今もこんなに脅えてる……緋奈はぜってえ渡さねえ……!!」
何を言っているのか緋奈にはさっぱり分からなかった。
でもなんだか嬉しかった。
どこか懐かしい気分が前からしていたけど、もしかして……
そう思ったのも束の間だった。
「ならばまた封印せねばな!アスモデウスよ鎮まりたまえ!!」
その瞬間、お坊さんはキャップの取れた瓶に入った水をユウガめがけて瓶ごと投げつけた。
「危ねッ!!」
緋奈に直撃しないようにユウガは瓶ごと素手ではじいて割った。
その瞬間、ユウガはその場に倒れこんで酷く苦しみだした。
「うわああああッ!!」
「ユウガ!? どうしたの!?」
「聖水を投げた。これでアスモデウスは激しく焼かれるような痛みで動けん。さぁ娘さんを早くこちらに!」
親たちが近づいて来る。
嫌…嫌よ……絶対嫌!!
緋奈は苦しむユウガに抱きついた。
でも、あっという間に炎は消え去った。
お坊さんは何をしたわけでもない。
熱さで騒ぐわけでもなく、ただじっとしていただけだった。
緋奈以上に、ユウガのほうが呆気にとられていた。
といより、顔面蒼白だった。
「嘘だろ……なんで……」
脳内パニックの様子だった。
「お前の正体はわかってると言ったはずだ、アスモデウス。色欲の悪魔め……」
「アスモ…デ…?ん?色欲…悪魔…?」
緋奈も脳内パニックで頭の中がこんがらがっていた。
「この娘に近づくなと中世時代にも散々火炙りの刑の際に警告されたはずだ。なのになぜまた今になって近づいた!?」
「うるせえ!黙れ!俺はシェリーも生まれ変わりの緋奈もどっちも愛している。火炙りの時、俺はシェリーに誓ったんだ。生まれ変わっても愛し続けるし守るって。探して探して探しまくって、やっと見つけた緋奈は酷え虐待を受けていた。見てられるわけ無いだろ……?今もこんなに脅えてる……緋奈はぜってえ渡さねえ……!!」
何を言っているのか緋奈にはさっぱり分からなかった。
でもなんだか嬉しかった。
どこか懐かしい気分が前からしていたけど、もしかして……
そう思ったのも束の間だった。
「ならばまた封印せねばな!アスモデウスよ鎮まりたまえ!!」
その瞬間、お坊さんはキャップの取れた瓶に入った水をユウガめがけて瓶ごと投げつけた。
「危ねッ!!」
緋奈に直撃しないようにユウガは瓶ごと素手ではじいて割った。
その瞬間、ユウガはその場に倒れこんで酷く苦しみだした。
「うわああああッ!!」
「ユウガ!? どうしたの!?」
「聖水を投げた。これでアスモデウスは激しく焼かれるような痛みで動けん。さぁ娘さんを早くこちらに!」
親たちが近づいて来る。
嫌…嫌よ……絶対嫌!!
緋奈は苦しむユウガに抱きついた。