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夢想姫の逃避録
第10章 崩れ去る幸せな日々
「そうはさせるかよ……!!」
ユウガが渾身の力で腕を振り上げた。
すると、地響きがした。
「何!? 何なの!?」
「いかん……夢の世界が……この世界を壊そうとしておる……」
その瞬間、緋奈は白い光に包まれた。
…………。
目を開けると、ユウガに大事そうに抱きしめられていた。
「ユウガ!! 怪我してるみたいだけど大丈夫なの!?」
「ごめんな……ちょっと無理そう……一緒にはもう……」
「そんな……そんな……嫌だ……っく……ひっく……」
すべてを悟って泣き出す緋奈をいつものように強く抱きしめてくれた。
指先で緋奈の涙を拭ってくれた。
「嫌だ……ユウガ……嫌よ……離れたくない……一緒にいたいよ……」
「緋奈、よく聞いて?これから緋奈は元の世界に戻っちまう。でも心配すんな?俺はまた必ず、緋奈を迎えに行くよ……」
首を横に振って泣きじゃくる緋奈に、ユウガはポケットから何か取り出して緋奈の首にかけた。
それはユウガの目の色と同じ、綺麗な青色の玉が埋め込まれた、天使の羽をモチーフにしたネックレスだった。
「綺麗……」
「お守り。本当はカレー食べてる時に渡そうと思ってたんだ」
「急いで寝室戻ったのはそういうことだったのね……」
「そう。あと緋奈のカレー……」
緋奈は落として割ったことを思い出して顔を俯かせた。
「食べられなかったけど、可愛かったよ?一生懸命キッチンで試行錯誤していたのは、ジャガイモやにんじんをハート型に切っていたからだったんだよな?」
緋奈が泣き顔で頷いた。
「ありがとな?嬉しかったよ……」
「ユウガ……」
「俺が迎えに来たら、また一緒にいられるようになったら、また作って欲しいな」
ユウガが渾身の力で腕を振り上げた。
すると、地響きがした。
「何!? 何なの!?」
「いかん……夢の世界が……この世界を壊そうとしておる……」
その瞬間、緋奈は白い光に包まれた。
…………。
目を開けると、ユウガに大事そうに抱きしめられていた。
「ユウガ!! 怪我してるみたいだけど大丈夫なの!?」
「ごめんな……ちょっと無理そう……一緒にはもう……」
「そんな……そんな……嫌だ……っく……ひっく……」
すべてを悟って泣き出す緋奈をいつものように強く抱きしめてくれた。
指先で緋奈の涙を拭ってくれた。
「嫌だ……ユウガ……嫌よ……離れたくない……一緒にいたいよ……」
「緋奈、よく聞いて?これから緋奈は元の世界に戻っちまう。でも心配すんな?俺はまた必ず、緋奈を迎えに行くよ……」
首を横に振って泣きじゃくる緋奈に、ユウガはポケットから何か取り出して緋奈の首にかけた。
それはユウガの目の色と同じ、綺麗な青色の玉が埋め込まれた、天使の羽をモチーフにしたネックレスだった。
「綺麗……」
「お守り。本当はカレー食べてる時に渡そうと思ってたんだ」
「急いで寝室戻ったのはそういうことだったのね……」
「そう。あと緋奈のカレー……」
緋奈は落として割ったことを思い出して顔を俯かせた。
「食べられなかったけど、可愛かったよ?一生懸命キッチンで試行錯誤していたのは、ジャガイモやにんじんをハート型に切っていたからだったんだよな?」
緋奈が泣き顔で頷いた。
「ありがとな?嬉しかったよ……」
「ユウガ……」
「俺が迎えに来たら、また一緒にいられるようになったら、また作って欲しいな」