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夢想姫の逃避録
第1章 泣かないで
緋奈は地元ではイイトコの私立高校に通う17歳の女子高校生。いわゆる、華のJK。
JKなんて、もう死語かもしれないけど。
それに、緋奈にとってJKなんてものは華なんてこれっぽっちも無い、ゴミの様な肩書きだ。
まず、笑うことができないから愛嬌が無い。
この時点で可愛げなんて全く無い。
しかもお洒落なんてよくわからない。
辛うじて、よく学校入学前に貰える高校パンフレットに掲載されているような写真の女の子みたいに、清楚目なかっちりした格好はしている。でも、それだけだ。
実際は、ほんの少しだけ目が悪いから黒縁眼鏡かけていて、黒髪パッツンで伸びっぱなしのストレート。
おまけに人間が怖くていつも下を向いてボソボソ喋っているから人をイラつかせる天才なんじゃないかとも思う。
恋人どころか友達なんているわけがない。
ほら、ニコニコ愛嬌があって、元気いっぱいで垢抜けたイケイケな格好と明るい髪色をして、いつも友達に囲まれた華のJKとは程遠い、カースト最下位のJKだってことがわかったでしょ?