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緊縛
第19章 緊縛19
 店長が、くちびるをそっと近づけてくると、薄っすらと舌先をだした。

「おねだりは?」

 思わず私は目を伏せた。

 自分から男性の舌を求めてるなんて、ふしだらなことに思える。

 強い抵抗感と恥じらいに、思わず目を閉じた。

 できない。そんなこと。

「もっと苦しいのが好きなんだ」

 躊躇うばかりの私の髪を店長は掴んだ。

「ずっと続けて欲しい? このままじゃ、いつまでたっても自由になれないよ」

 その言葉に息を飲んだ。

「ほら」

 男の欲望は、どこで満たされるのだろうか。セックスさえ拒まなければ、もっと早く開放されていたのかも知れない。

 だけど、弄ばれた挙句、犯されるなんて、絶対に嫌だ。

 でも店長に従わなければ、私は、このまま終わりのない快楽に振り回され続ける。

 どちらを選んでも、弄ばれ続けることに変わりはない。

 これがレイプなんだ。

 女の意思なんて関係ない。

 曝け出される欲望の赴くままに弄ばれる。

 なんて卑劣な行為なのだろうか。

 私は、恥ずかしさを押し殺し、店長が薄っすらとだした舌先に、答えるしかない。

「ほら、もっと味わってごらん」

 舌先を重ねあわせると、店長が、さらに舌をだした。

 恥ずかしいことを強要される。

 その次は、なにをされるのだろう。

 惨めなほどに、恥ずかしい。

 店長が出した舌を含むと、さらに舌を押し出してくる。

 私は羞恥を噛みしめ、店長を満足させようと、淫らなまでに舌を重ね、含んでいると、ぞくっとするほどに、店長の舌先が、波打つように動いた。

「美咲の可愛いところをたくさん味わってあげるよ」

 店長は、ショーツをゆっくり脱がしていく。

 恐る恐るショーツを脱がしていく店長を見ると、また、ぞくっとする舌使いを見せた。

「もうやだ」

 今までのセックスなら男性が果てるのを待てばよかった。

 ここまで淫らなことをされたこともなければ、絶頂すらも覚えたことはない。

 あるのは痛さだけだった。
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