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緊縛
第3章 短編 緊縛3
 店長は、麻縄を手に、「赤い綿縄は肌を痛めない代わりに直ぐに解けるし、肌にも食い込まない。それでは、せっかくの女性の丸みを帯びた美しさが表せない」と言った。

 私は、ドキドキしながら先ずは、言われたとおり、縛られた女性の雑誌を食い入るようにみると、ベッドに横になり、ショーツの上から、ゆっくりと自分の中で淫らさを彷彿させながら割れ目を上下させ、軽く息を吐き出す。

 撮影するカメラが近づいてくる。

 私が、かすかにもらす声を拾うように大きな集音マイクが頭上にあり、ほどよく灯りを調整したライトが設置されていた。

 設定では、私は高校生だ。

 自宅に帰り、着替えるシーンも用意されてあったが、上着を脱いで、下着をみせる程度で裸になるわけではない。

 台詞は上手く言える自信がないから、最小限にして貰った。

 店長は、いやらしげに、喘ぎは自然と出させてあげる。なんて言ってくるし、緊張してた私は、いつしか周りのアットホームな雰囲気に、自然にスタッフと雑談できるまでになっていた。

 でも、一番緊張したのが、麻縄だ。

 オナニーを兄にみつかり、目を伏せた私を兄である店長が、いやらしく私を見つめ、全身をさする。

 緊張しながら声を私は押し出した。

「お兄ちゃん」

 年の離れた兄は再婚相手の父の息子であり、幼い頃から淡い恋心を抱いていた。

 その兄から迫られるシーンは、店長に、ときめく私には、あまり難しくなかった。

 淫らに伸びてくる手を押しやりながら、私は表面上の拒みを繰り返す。

 店長の手が、スカートを捲り、下半身をさすられながらショーツを触られるシーンは恥ずかしさで一杯だ。

「やめて、お兄ちゃん」

 店長に押さえつけられた私は、恥ずかしくて、なかなか店長の顔も見られない。

「はい、カット!」
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