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eyes to me~ 私を見て
第45章 波乱のミュージックスタイル

「……ごめんなさい……初対面の方達にいきなりこんな話を……」
菊野はハンカチで目尻を拭い、呼吸を整えようとするかの様に深呼吸する。
「剛さんは……美名さんという方を助けようとしたんですね……」
「ええ……美名さんは……」
「剛さんの、大切な人よね?……私も、病院に来る時間がまちまちだし、まだお会いできてないけれど……お電話をこの間いただいたわ……
とっても綺麗な声の人ね……」
菊野は顔を綻ばせると、綾波の方へ向き直り、眠る瞼に語りかける様に言った。
「私は……剛さんに幸せを貰ったもの……
今度は剛さん自身が幸せのプレゼントを貰わないとね……
だから……早く、目を醒ましてね?剛さん……」
菊野の瞳は、また溢れそうに濡れていた。

