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eyes to me~ 私を見て
第45章 波乱のミュージックスタイル

「全くも――う!この子供ちゃんはっ!落ち着きなさい」
「ひ……ひいい」
志村は真理をひっぺがすと、頭を拳でグリグリと押した。
由清はホッと息を付くと、鏡を見ながら曲がったネクタイを直す。
王国のプリンスをイメージした様な白いタキシードに空色のネクタイが様になっている。
美名は口紅を塗ってもらいながら由清を横目で見た。
(カッコいいなあ……桃子がアンソニーって呼ぶけど、ぴったりだよね……)
楽屋の隅でまだ志村にお仕置きをされて悲鳴をあげている真理を見ても、背も高くて筋肉質でハンサムで素敵だと思う。
(ぶっちゃけ、かなり格好いいよね……
アイドルになった方が売れるだろうなあ……多分……
私が、台無しにしないように頑張らないと!)
心の中で改めて気合いを入れた時、スタッフが手を叩いた。
「終わりました~!本番前にまた直しますね!」
「ありがとうございます……」
「凄く素敵ですよ~!私の自信作です!
他のどの出演者さんのメイクよりも頑張りました!……て、内緒にしてくださいね」
スタッフが出て行くと、美名は鏡に自分を色んな角度から映してみた。

