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eyes to me~ 私を見て
第45章 波乱のミュージックスタイル
「わ――!なんと!プリキー様の楽屋の目の前――!」
「これは何かの運命っ?」
「俺らも挨拶して来よ――!」
三人がワイワイ言うのを苦笑して見てから、髑髏川は未菜に向き直る。
「じゃあ、未菜ちゃん、今日はお互い頑張ろうね!」
「はい!頑張りましょ~!」
未菜は溢れる様な笑顔を返した。
四人がプリキーの楽屋に入ると、賑やかな話し声と笑いが聴こえてくる。
未菜は拳を握り締め、唇をギュッと結び長い巻き毛を翻してその場から離れた。
スタッフや、出演者が未菜が通ると目を輝かせて頭を下げたり、声をかけてくる。
未菜は愛想を振り撒きながら軽やかな足取りで歩き周りの人間を魅了していたが、その胸の中に渦巻くどす黒い嫉妬と企みを、その場に居る人間達は知る由も無かった。
誰にも聞こえない様に、小さく呟く。
……一番は私よ……歌姫は……二人は要らないのよ……