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eyes to me~ 私を見て
第46章 波乱のミュージックスタイル②
「う――ん……」
「何か気になる~!」
口ごもる暗黒のシャツの裾を摘まみ唇を尖らせる。
黒く塗っている為に顔色は分からないが、彼の口元が緩んでいる。
あと一押し、とばかりに西野は華奢な腕を暗黒の太い腕に絡ませた。
「誰にも言わないから!……教えて~?暗黒さん!」
人の良い暗黒は、西野の裏の思いなど気付くわけもない。人気の歌姫が自分に頼み事をしているという少しばかりの優越感に酔いながら、その口を滑らせる。
「あの場に居た人が全員目撃した訳じゃないんだけどさ……」
西野の耳に掌をかざして内緒話の様に囁く。