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第46章 波乱のミュージックスタイル②

｢ペコさん……｣

　堺が苦い笑顔で首を振るが、ペコは指についた砂糖をぺろりと舐めてキッパリと言った。

｢芸能界は……怖い所よ？ううん、芸能界だけじゃなく、生きてる人間が怖い、て思った方が良いかもね｣
｢……｣

　美名が目を丸くするが、由清は複雑な表情で手に持ったドーナツを見つめていた。

｢……silent wolfの盗作やらの妨害工作やらも大室の仕業だった、て知ってた？｣
｢！？｣

　美名の顔色が白くなる。

｢ペコさん！｣

　堺の鋭い声が飛ぶが、ペコは続ける。

｢お部屋を荒らされたりしたでしょ？｣
｢えっ……｣
｢ペコさん……その辺で勘弁してくれないかしら？美名ちゃんは何も知らないのよ｣

　志村が庇う様に美名の前に立つが、美名はその腕をギュッと握る。

｢……いえ……知りたいです……何が起こっていたのか……｣