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第46章 波乱のミュージックスタイル②

　美名は、大室が翔大にプリキーの妨害を指示していた事、綾波と自分の写真が隠し撮りされて、綾波がメンバーに脅された事、聖恵が美名に近付いたのはプリキーを撹乱する目的があった事などを聞いて、ただ呆然としていた。

｢……いっぺんに色んな事を聞いて、信じられないかも知れないけど……
　美名ちゃんのお部屋を翔大くんがチンピラを使って荒らした事は、大室の指示じゃなかったみたいだけどね……｣
｢しょう君……｣

　その名前を口にすると、身体が震えて涙が零れた。
　昔、大好きだった人。
　優しくて、時に鋭くて……
　あの頃にもし別れる事が無かったとしたら、こんな風にはならなかったのだろうか。
　翔大の優しい眼差しと、マンションで烈しく身体を求めて来た時の暗い情欲に燃えた瞳が交互に過る。