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第46章 波乱のミュージックスタイル②

　ペコが大きく頷き笑うと、美名の手をそっと包み込むように握る。

｢今日のパフォーマンス……綾波くんにもきっと届くわ……｣
｢……はい……！｣

　美名は輝く笑顔を返した。

｢あっ！皆！もうリハよ！行きましょう！さあさあっ……
　真理君、頭爆発したままね……まあ、いいか！愛嬌よ愛嬌――！｣

　志村が後ろから追いたてる様に三人を楽屋から押し出した。
　二人になってしまった楽屋で、堺はペコに咎める視線を向ける。

｢ペコチーフ……｣
｢ハイハイハイ！堺ちゃんが怒ってるのは知ってるわよ！
　ゴメンなさいねえ！あなたのカワイイお姫様を脅かして｣
｢……大丈夫でしょうか、彼女｣

　ペコはそれには答えず、心の中でそっとエールを送っていた。