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eyes to me~ 私を見て
第46章 波乱のミュージックスタイル②
ペコは、そんな美名を真っ直ぐな目で見た。
楽屋の中が、しんとする。
「やだ皆……この世の終りみたいな顔をしなくても……
私……わかってますから。ペコさんが言いたい事……」
皆が複雑な表情になってしまい、美名は雰囲気を変えるように明るく言った。
「自分が今、この場所に居るって事は……
他の誰かを押し退けて来たって事なんですよね……
私が東京に出てきてから今まで6年、悔しい思いをした事があるように……
誰かが今、血の滲むような悔しさを噛み締めて這い上がろうと空を仰いでる……
私……色んな人の思いをしょって、色んな人の思いの上に立ってる……」
美名はそこで息を継ぎ、きっぱりと言った。
「負けない――です。絶対に……」