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eyes to me~ 私を見て
第47章 波乱のミュージックスタイル③
(あの子は、皆が自分に向ける優しさを良く分かっているんだわ……
今日の出演だって、重大なチャンスな事はプリキーの誰よりも理解してる……
何とかしよう頑張ってる……だから、私が溜め息をついたらダメよ)
ヤモリに事情を話した志村だが、ヤモリには一言
『口パクはダメだよ……今からその辺の変更は悪いけど物理的に無理だねえ』
とはっきり言われたのだ。
『でも……そこを何とかなりませんか?』
『う――ん……でもさ、あの子は口パクでやりたがってるのかい?』
『……』
『曲がりなりに歌い手なら、どんな状況でも自分の声で勝負したい筈だよ。
……大丈夫、予定通りでやるよ』
『大丈夫……て』
『いや、もし声が出ないなら出ないなりに俺が後でフォローする。
……それに、正直もしそうなったらなったで、話題になるじゃない』
ヤモリは平然と言う。