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eyes to me~ 私を見て
第48章 鮮烈なデビュー①
「――何です?」
由清が静かに聞き、真理が横から精一杯の険しい顔をして睨みを聞かせると、西野はフワリと笑った。
「いいえ?本番前の激励の言葉をかけに来ただけよ?頑張ってね~」
美名は目を開けて、笑顔を返した。
由清と真理が庇うように立ちはだかるが、スタッフの「本番十秒前!」
の声で二人は西野を睨みながら自分の席に座る。
西野は美名の後ろに座ると、ふと眉を上げ美名の方へ身体を傾けた。
「髪に何か付いてるわ……」
西野の指が髪に触れた時、耳元で小さく囁かれた。
「元カレにヤられたんだって?……ご愁傷様ね」
「――――!」
美名の背中が凍り付く。
「はい、本番!」
スタッフの声と共に放送がまた始まった。