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eyes to me~ 私を見て
第50章 歌姫降臨



 真理は押し込む様に美名を乗せ、ドアを閉めた。

「行ってこい!皆にはテキトーに言っておくから!」
「真理くん……」

 美名が何か言いかけたが、タクシ―は走り出し、あっという間に闇の中へと消えた。

「は――っ。行っちまったよ」

 真理がやれやれ、と肩を竦めると、後ろから暗黒が飛び付いてきた。

「真理――!こんな所にいた――!さあ行こうぜ――!」
「オイッ!離れんか!俺は君のパパでもなんでもないんだぜ――!」
「パパ!?いーなあそれ!真理がパパ――!ギャハハ」
「全く……野郎に抱きつかれても何にも楽しくねーよ!」

 二人がスタジオの中へ入って行くのを、路肩に停めてある一台の黒い車の中から西野が見ていた。

「許せない……美名……っ
 ……見てなさい……
 今に尻尾を掴んでやる……」

 強く噛んだ指から血が滲んだ。

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