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eyes to me~ 私を見て
第51章 Kiss in the moonlight

エレベーターの中の鏡で自分の姿を見て、病院という場所には余りにも場違いだったと、衣装のまま来てしまった事を後悔したが、もう仕方がない。
ずっと会いたくてたまらなかった。
もう一日後に先伸ばしにするなどあり得ない位に綾波の姿をこの目で確かめたかった。
この目で見て、触れて、声を聞いて、夢でなく現実だと実感したい。
電話で恥ずかしい事をしてしまったのを思い出して顔から火が出そうだが、綾波はなんと言うだろうか。
いつもの様に、甘く蕩ける言葉で責めて来るのだろうか?
美名が恥ずかしさと恋しさで涙ぐむまで、囁いてくるのだろうか?
「ああ……どうしよう」
勝手に火照って来てしまう頬を押さえて思わず呟いていた。

