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第51章 Kiss　in　the　moonlight

　美名の恥ずかしさなど関係なく、エレベーターは早々に綾波の居る病棟に到着する。

｢――よ、よし！気合い入れて行くし！｣

　美名はそろそろと廊下を手摺りづたいに歩き、綾波の病室の扉に手をかけたが一瞬躊躇う。

(そう言えば、みっちゃんや亮介くんも来てたんだよね……
　でも、もう居ないよね……て事はやっぱり、二人きり……)

　心臓を鳴らしながらそっと扉を引く。
　とても重い扉の様に感じた。