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eyes to me~ 私を見て
第51章 Kiss in the moonlight

久し振りに見る綾波の顔は、やはり痩せて頬が少しこけてはいたが、かえって精悍さを増した様だ。
抱き締める腕の力強さは、長く意識を無くしてベッドの上に居た事が嘘の様に思える。
美名の涙に濡れる頬にそっと触れて囁く。
「綺麗だ……」
「……う、嘘だ……だって……泣いてお化粧も取れて……無様でしょ?」
美名は首を振りながら、キクノの姿を思い浮かべていた。
綺麗に整った艶のある髪、キメの細かい肌に優しく揺れる黒目がちな瞳が愛らしい人……
綾波の事を"剛さん"と甘い声で呼ぶ、あの人は誰……?

