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eyes to me~ 私を見て
第51章 Kiss in the moonlight

今夜は満月。
カーテンを開けたままの窓から明るい光が入り込み、美名の涙に濡れた艶やかな瞳と艶かしい首筋や唇が金色を纏い、美しさを引き立てていた。
綾波は息を呑み、美名の頭を引き寄せて口づけようとするが、強く抵抗されて溜め息を吐く。
じれったい気持から、指でその唇をなぶるように触れた。
「……どうしたんだ」
「キクノさん……て誰?」
「……」
綾波がキョトンとしている。
美名はその反応に猛烈に腹が立ち、思わず胸を拳で殴った。
「さっきの女の人は、誰なの――!?」
「いって……て」
顔をしかめる綾波を見てハッとして、「ごめんなさい」の言葉を口にしようとした時、身体が宙に浮いた。

