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eyes to me~ 私を見て
第51章 Kiss in the moonlight

綾波は美名の背中に腕を回して、ゆっくりとベッドに倒した。
病室の小さなベッドに結わえた長い髪が広がる。
綾波は丁寧な手付きで髪のリボンをほどいていった。
腰まである髪を大事そうに指で鋤いて肩へ流し恭しく口づける。
「……俺だけの……歌姫……」
髪に押し当てられていた唇は、首筋に落とされて、そのこそばゆさに身を捩るが、手首をしっかりと掴まれて身動きが出来ない。
指の一本一本にも順番にキスをされる。
「俺は……どの位お前に触れてなかったんだ?」
「えっ……と」
美名は、頭の中でカレンダーを捲る。
(あのパーティの日は、何日だっけ……?)

