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eyes to me~ 私を見て
第51章 Kiss in the moonlight



「どうする?今にも怖~い女好きの大魔人が姫様を拐いに来るかも知れんぞ?」

 綾波は芝居がかった口調で益々美名を笑わせる。

「ガオ――!ってな」
「アハハ……剛さんが大魔人なんじゃないの?ふふ」
「そうかもな」
「やだ――!怖い怖い――!食べられちゃうっ」

 コロコロ笑う美名にシーツをふわりと被せて抱きしめた。

「もしもこの先も……何処の誰がお前を拐ったとしても……俺は奪い返す……」
「……っ」
「まあ、そもそもそうなる前に離さんけどな」
「剛さん……!」

 美名はシーツからするりと腕を出して綾波に抱きついた。

「離さないで……私を離さないで……」
「当然だろ……」

 二度と離れない、と誓いにも似た愛の言葉を交わし合い口づけ合う二人を、夜空の星達や月が見守っていた。

 ――そして、この誓いを揺るがそうとする運命の悪戯が、既に始まっている事を知るのは、今夜の満月だけだった。

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