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eyes to me~ 私を見て
第53章 暴かれる秘密



「美名……俺が今……愛してるのはお前だ……」

 背中に聞こえる綾波の声が震えている。
 何度となく胸を甘く充たしたその愛の言葉がーー今では全く違う意味に聞こえてしまう。
 綾波を愛している、その気持ちには変わりが無いのに――

「……だったら……そんな話……知りたくなかった!」

 肩に綾波が触れて来るが、美名は身体をかわして避ける。

「触らないで……」
「――美名」

 綾波の脇をすり抜けて、ドアを開けて顔を見ないまま冷たい声で言い放つ。

「暫く……ひとりで考えさせて」

 後ろ手でドアを閉め、リビングのソファに身体を沈めてクッションを抱きしめると、嗚咽が込み上げてきた。

(いつもなら……逃げたって拒否したって、強引に私をつかまえて身体を奪うのに……)

 このソファの上でも何度も抱かれた事を思い出し、更に苦しい嗚咽が漏れた。



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