この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
eyes to me~ 私を見て
第53章 暴かれる秘密

「美名……俺が今……愛してるのはお前だ……」
背中に聞こえる綾波の声が震えている。
何度となく胸を甘く充たしたその愛の言葉がーー今では全く違う意味に聞こえてしまう。
綾波を愛している、その気持ちには変わりが無いのに――
「……だったら……そんな話……知りたくなかった!」
肩に綾波が触れて来るが、美名は身体をかわして避ける。
「触らないで……」
「――美名」
綾波の脇をすり抜けて、ドアを開けて顔を見ないまま冷たい声で言い放つ。
「暫く……ひとりで考えさせて」
後ろ手でドアを閉め、リビングのソファに身体を沈めてクッションを抱きしめると、嗚咽が込み上げてきた。
(いつもなら……逃げたって拒否したって、強引に私をつかまえて身体を奪うのに……)
このソファの上でも何度も抱かれた事を思い出し、更に苦しい嗚咽が漏れた。

