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第53章 暴かれる秘密

｢剛……さん……私を見て……私を何故見ないの！｣

　枕を掴み、投げ付けると、綾波の身体に当たり、床にボトリと落ちた。

｢……お前に……話そうと思っていた｣
｢……っ｣

　綾波は俯いたまま、低く呟く様に続ける。

｢俺は……昔｣
｢――――やだ！聞きたくない！｣

　美名は耳を塞いで絶叫し、綾波から背を向けた。
　合成の写真と分かっていても、綾波と菊野が裸で絡み合う映像が脳裏に焼き付いて吐き気が込み上げてくる。

｢うっ……｣

　口を押さえうずくまると、綾波が背後に近付いてくるが、ぴしゃりと拒否してしまう。

｢来ないで……！｣