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eyes to me~ 私を見て
第54章 擦れ違う恋人たち

「さて……この部屋に来て言うのもなんですが、煙草を吸う人は居ますか?」
綾波と志村が首を振るのを見て、智也は笑って窓を開けた。
「よかった。俺も吸いませんから……ちょっと空気を入れ替えましょうか」
「岸さん、何かお話が?」
志村の問いに、智也は黙って胸ポケットから茶色い封筒を出し、テーブルに中身を広げて見せた。
綾波と志村が息を呑む。
A4版のコピー紙に、様々な画像がびっしりとプリントされている。
それは、美名宛に送られて来た写真と同様の物ばかりだった。
智也はもう一枚、紙を広げた。
大きなゴシック体で、こう書かれている。
『princes & junkyのマネージャーの綾波剛は義理の母にも手を出す色狂いの男。
この様な鬼畜男とビジネスの関係を結ぶ岸コーポレーションの浅はかさと無知さは恥だ!』

