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eyes to me~ 私を見て
第54章 擦れ違う恋人たち

「な、何よこれっ!……よく見れば合成っぽい写真だけど……」
志村が顔色を変えて紙を握りしめ凝視する。
綾波はこめかみを押さえ、溜め息を吐いた。
「今朝、本社にファックスで送られて来ました……
俺が所用で一番早くに会社へ行ったので、これを目にした者は他にはいません」
「こ、これって……どういう意図なのかしら!?酷い嫌がらせよ!
……警察に通報は?」
智也は首を振る。
「送信元は都内のコンビニでした……正直、この程度の事で警察は本腰入れて動かないでしょうね……」
「く――っ!なんて卑劣なの!こんな根も葉も無い!……ねえ?」
志村が歯軋りして地団駄を踏んだ。
そして、綾波が沈んだ色の瞳をふせているのを見て口を押さえる。
「……て、まさか……根も葉も無く……ないの?ええっ?」

