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eyes to me~ 私を見て
第54章 擦れ違う恋人たち

はまじろうは思いもかけない優しい手付きで由清の顔をいじり始める。
放り出された真理はフラフラと歩き、美名の横の椅子にドカッと座ると溜め息を付いた。
「なんじゃ?あのはまじろうはよ~!随分と態度が違うじゃねえかっ」
「うふふ……」
「良かった……笑って……すごく可愛くしてもらったな」
頬に触れて真理が笑うと、美名は頬を赤らめて目を逸らした。
「ま……真理くん……さっき……エレベーターの中……で」
「……う?お、おお」
美名は俯いたままスカートの生地を指先でギュッと握る。
「な……何でなの?」
真理は面食らった様に目を丸くしたが、首を振って呟く。
「まさか……それを聞かれるたあ思わなかった」

