この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
eyes to me~ 私を見て
第54章 擦れ違う恋人たち

「ごめんなさい……」
しゅんとする美名に、真理は慌てて付け足した。
「い、いや、どーせアレだろ?綾波が悪いんだろ?……だったらお前がしょげる事はねーよ!たまにはいい薬になるさ!奴を凝らしめてやれよ!ん?」
真理は ふと、昨日翔大から預かった物の事を思い出した。だが、今このタイミングでその事を切り出すのが何となく憚られた。
「真理くん……私」
「あ――!今すぐどうこう、白黒つけないでくれよなっ!
俺は……ただお前が心配でさ……まあ、下心のある心配だけどよ……ハハハ!遠慮しないで、俺を頼ってくれよって事!今言った事は忘れていいから!……いや、やっぱり忘れんな!」
「……もう……一体どっちなの?」

