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eyes to me~ 私を見て
第55章 独りぼっちの歌姫

『綾波が戻って来た時、お姉ちゃんが栄養不足でお肌も荒れちゃってたらがっかりされるわよ?』
「う……」
美名はカップ麺を睨みながら呻いた。
――どうなんだろう……
剛さんに戻ってきて欲しいけど、それ以上に会うのが怖い。
「愛しているの」とぶつかっても冷たくあしらわれてしまったら――
剛さんの事を、今まで何も知らずにただ焦がれていた。
私と似ているという"ほなみ"の事や、菊野さんとの事……
過去の無い人間なんか居ない。
私だってしょう君と同棲の様に付き合っていた時もあるし、他にも恋愛はして来た。
そんな風に、頭では分かっているのに、どうして上手く割り切る事が出来ないんだろう――

