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eyes to me~ 私を見て
第55章 独りぼっちの歌姫

綾波に会いたい、と強く思った。
今までは、強引に奪われたい、包んで欲しいと望んでいたけれど……
今確かに胸の中に新たに宿った気持ちを美名は、はっきり気付いていた。
(剛さんに守られるんじゃなくて……
私が剛さんを……守りたい……愛したい……)
「もう……っ勝手にいじけて何処かへ行っちゃって……
今度会ったら只じゃおかないんだからっ!」
バニッぴーの顔をつねって頬を膨らまし愚痴る様に囁くと、また新しい涙が頬に流れた。
「剛さん……お願い……私……から……逃げないで……」
綾波の幻を抱く様に、強く人形を胸に抱いたまま、美名はいつしか眠りに落ちていた。

