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eyes to me~ 私を見て
第57章 さよなら、私の②

「適当に座って?」
美名は買い込んだ食材を、袋から出しながら冷蔵庫にしまい、手際よく野菜の皮を剥き始める。
真理がキョロキョロと落ち着き無く回りを見回し、美名の隣にやって来た。
「な、なんか手伝うか?」
「うん……じゃあ、悪いけど掃除機かけてくれる?」
「いや……俺はどっちかって言えば……二人でキッチンに並んで仲良く……」
「そこの……そうそう!その中に掃除機入ってるから、お願いね」
赤くなり口ごもる真理を、美名は笑ってかわす。
急遽オフになった美名達は駅で各自解散となった。
志村は、美名にマンションまで運転手に送って貰えと言ったが、美名は久々に外に出たかった。
買い物もしたいと言ったら、真理が一緒に付き合う事になったのだ。
『美名ちゃんのボディーガード、ちゃんとするのよっ?
デカイ図体してるのは伊達じゃないわよねっ?
悪漢や痴漢が襲ってきたら真理くんが秒殺しなさい!』
『真理……お前が美名ちゃんを襲うんじゃないぞ』
『あらっ!そうよねっ!……真理くん?
下手したら貴方が美名ちゃんに秒殺されるわね――!おほほほ』
志村と由清に散々言われた事を思い出しながら、真理は苦虫を噛み潰した様な顔をして掃除機をかけていた。
「全く……人聞きの悪い……」

