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eyes to me~ 私を見て
第57章 さよなら、私の②

真理は、これには堪らず絶叫し、美名を離してカーペットに倒れて白眼を剥いた。
美名は乱れた服や髪を直し、頬を膨らませる。
「もうっ!しばらくそうしてなさい!」
真理を放って置いてシチューに再び火を入れると、間も無くコポコポと音を立てデミグラスの香りがキッチンに漂う。
気を失いかけていた真理も食欲を刺激されたのか、急に目を爛々と輝かせて何故か正座している。
「真理君、食べたら感想聞かせてね……?」
美名はテーブルにランチョンマットを敷き、よそったシチューを運ぶ。
「お~!」
真理が尻尾を振ってやって来た。
「初めてのレシピだから……上手く出来てるか分からないけど……」
美名が言うよりも先に真理は
「いただきマンモス―ー!」と叫び、シチューにパクついた。
「……うう……うんまいっ……!最高じゃね――か!」
「本当?」
美名は目を輝かす。
「ほれ、美名も食ってみろよ!」
「うん……」
美名は、綾波に電話しようとしていた事を思い出した。
「真理くん、食べてて?……私、電話してくる……おかわり、どんどんしてね?」
「おうっ」
美名はスマホを持ち、寝室へ入った。

