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eyes to me~ 私を見て
第12章 歌姫のlesson②
「きゃあ!」
「おっと!」

 つんのめった美名は、綾波の腕に素早く抱き留められた。

「ご、ごめんなさい」

 至近距離で目が合って全身が脈を打ち始める。
 背中に添えられた綾波の手に一瞬ギュッと力が籠った時、耳元に小さく囁かれた。

「綺麗だ」
「……どっ……ども……っ」

 嬉しさと恥ずかしさで舞い上がり、へどもどしながら顔を逸らす。
 こんな風にお姫様扱いされたのは生まれて初めてだった。

 擽ったくて、幸せで……
 でも、こんなに楽しくて大丈夫なのかしら?
 と心配になってくる。

 ――芸能界でも、プロデューサーに惚れ込まれ、公私共パートナーになった上で売り出され、絶頂期を過ぎたらふたりの仲も破局して……
 という女性シンガーも居たっけ……
 今は良くても、この先……

 そこまで想像してしまったが、美名は直ぐに打ち消した。

 ――始まる前からそんな事考えたら、キリがないよね……



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