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eyes to me~ 私を見て
第57章 さよなら、私の②




「アメリカは日本に比べて、精神科の治療を受ける事に関しては偏見が無いしな。
 聖恵に取っても良い環境かも知れない……」

 翔大の瞳に、とてつも無い孤独が棲んでいる様に見えた。
 美名は思わずまた手を掴んだ。

「心配してくれてるのか?……相変わらず優しいというか、お人好しだな」

 翔大に笑われて、美名は少し膨れた。

「じゃあ……行くよ」

 ゆっくりと手を離す。
 翔大は美名を見つめたまま後ろ向きに歩き離れていく。

「しょう君――」
「元気でな……美名」
「しょう君っ……」
「……I LOVE YOU , I MISS YOU,甘いだけの 歯が浮く様な言葉達……」

 一歩一歩遠ざかりながら、翔大が歌い始めた。

 美名の身体が震える。
 それは六年前、翔大が美名に贈ったバラードだった。
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