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eyes to me~ 私を見て
第57章 さよなら、私の②

目の前が霞み、視界がぼやける。
美名は涙を拭った。翔大が去った方向に背中を向けて出口へ向かい歩き出す。
カーブサイドでは、真理が車の中で待っていた。美名を見ると笑って手を上げる。
「お待たせ……ありがとう、真理くん」
「挨拶出来たか?ちゃんと」
「うん」
ドアに手をかけた時、飛行機の大きな影が地面に落ちた。
白い機体が轟音と共に飛び去って行く。美名は手をかざし、やがて点になり消えてしまうまで目で追った。
胸の中で、バラードが鳴り響いている。
――I LOVE YOU
I MISS YOU
他の誰に笑われたって 良かったんだ
一緒に 手を繋げるなら
一緒に 何処までも飛んで行けるなら――
美名は、鮮やかな水色と白の空に向かって、さよなら、と呟いた。

