この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
eyes to me~ 私を見て
第58章 歌姫を見守る獣

美名は頬を膨らませて、首を傾げてはまじろうに近付く。
「え~……もう二週間一緒にお仕事してるのに……もう少し打ち解けてくれてもいいんじゃない?」
「はいどうぞ」
由清がペットボトルの水を渡すと、はまじろうはピョコンと頭を下げて黄色い手で受け取った。
由清は美名に小声で耳打ちする。
「ほら、水を飲む為に背中のチャックを開ける筈だよ……」
「あっ!そっか!」
「何だよ何だよ!二人で何をナイショ話してんだ?」
真理もやって来るが、由清にギロッと睨まれ「静かに!」と釘を刺される。
「ひいっ……怖いっ」
「真理くん、気にならない?はまじろうの中の人」
美名が小声で話すと、真理も頷いた。
「あ~そういやそうだよな……あの敏捷性と驚異の体力な~」
三人ははまじろうがどうするのか、息を潜めて見ていた。
すると、スタッフに呼ばれて向こうに跳ねながら行ってしまう。皆は肩を落とした。
「あ――!いい考えだと思ったんだけどな~」
由清が悔しそうに舌打ちする。

