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eyes to me~ 私を見て
第58章 歌姫を見守る獣

志村も真理の尻に蹴りを入れ、すまなそうに増本に頭を下げる。
「オホホ、ちょっと口の悪い子供がプリキーには居るものだから……ごめんなさいね?
N野……じゃない、西野さんは可愛らしくて素晴らしい歌手ですもの。
増本さんがマネージャーとしてしっかりサポートされてるから、彼女も頼もしく思ってるでしょうねえ?」
「良く言うぜ――!……ムゴッ」
由清は、喚く真理の口を両手で塞いだ。
増本はフッと笑う。その笑顔には何処と無く陰が見えた。
「いえ……おっしゃる通りです。西野は天賦の才を持っていますが、大人としては……分別に欠ける点が多々ありまして……
私がもう少し彼女を導ければ良いのですが……力不足でして……」
「……」
美名は、初めて会うこの増本と言う男の中に、西野へのマネージャーとしてではない特別な想いがあるのではないか?と感じ取った。
何だか自分と綾波を重ねてしまう。

