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eyes to me~ 私を見て
第12章 歌姫のlesson②
「はあ~志村さんて……楽しくて素敵な人ですねえ……」

 美名は、身体が熱くなるのを感じながら、カウンターでバーテンと談笑する志村を見つめた。

「俺からすりゃ、ただのオネェなおっさんだがな」
「アハハ~酷い」
「美名……飲み過ぎじゃないか?」
 
 大きな両の掌が、頬に触れて来てドキリとする。
 飲物のせいなのか、綾波のせいなのか、身体の熱が急上昇してきた。

「そんなに、顔に出てます?」
「そうだな……頬も、首筋から胸元まで、綺麗な桜色だな……」

 視線が胸元まで落とされて、また心臓が跳ねた。
 頬に手を触れられたまま、綾波を見つめる。

「綾波さん……は……」

 涼やかな目元が不満そうに鈍く光った。

「えっと……剛……さんは……酔ってないの?」

 突然頬をグリグリされ、美名は面食らう。

「全く……このタイミングでそう呼ぶかよ」

 綾波の頬が僅かに色が差している様に見えて、目を疑った。



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