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eyes to me~ 私を見て
第58章 歌姫を見守る獣

10分程走り、辿り着いたのは業界の人間御用達で有名なフレンチの店だった。
然程大きな店ではなく、確かカウンターと席が四つか五つだけのスペースなはずだ。
増本は車から降り、助手席のドアを開け美名の手を取りエスコートしながら店の中へ消えていった。
(……見たところ、他の客は居ない……ひょっとして貸切りにでもしたのかも知れんな)
「すまん、ここで暫く待機だ」
綾波が運転手に告げると、運転手は僅かに頬を緩ませる。
「なんだかドラマみたいですね~
たまにそういう事を頼む客が居るそうですけど僕はこんなの初めてですから、ドキドキしますね~……奥さんの浮気調査か何かですか?」
「まあ、そんなところだ」

