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eyes to me~ 私を見て
第58章 歌姫を見守る獣

「ああ……にくたらしい?……わかる……かも……すきで……しゅき……すぎて……
にくらし……くなるよね」
美名は、覚束ない呂律で語りかける。
未菜は真顔で聞き返した。
「――え?……好き……?」
美名は背凭れに身体を預けて目をこすった。
「ふん……みなちゃ……は増本……さんの事が~好き……でしょう?」
「――!」
未菜の紅茶のカップを持つ指が白くなる。
美名は未菜の顔を覗き込み、無邪気に笑った。
「恋のなやみ……わか……るよ~わたしも……つよししゃん……好き……だけど……
なんか……うまくいかないし……えへへへ」
未菜は色を失い、席から立ち上がる。
「――あんたに、何がわかるって言うの!あんたなんかに!」
その声に、増本が気付き振り向くと、西野はその視線を受け止めて苦しげに口を歪めて顔を逸らした。

