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eyes to me~ 私を見て
第58章 歌姫を見守る獣

増本と未菜の間に微妙な空気が一瞬流れた。
「うう……ねむい……かも」
美名の瞼が閉じて、意識が遠退いていく。
ズシリと増本の腕の中の重みが増した時、美名は完全に眠りに堕ちていた。
未菜は鼻を鳴らして髪をかきあげる。
「バッカみたい……ちょっと優しくするとすぐに騙されて……
可哀想に……今から男にヤられて恥ずかしい写真をばらまかれるって言うのに……
幸せな顔して眠ってるわね……ふん」
「――いいの、ですか?」
増本は美名を抱え、静かに問いかけた。
「何がよ」
「僕が……今から……美名さんを……抱いても……未菜は平気なのか?」
増本は躊躇いがちに、しかし真っ直ぐに未菜を見つめた。

