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eyes to me~ 私を見て
第59章 夢うつつのキス


 綾波は、後部席で眠る美名を腕に抱きながら寝顔を見つめた。
 ワインの薫りが鼻腔をつく。
 アルコールの気に当てられそうになり、僅かに眉をしかめた。

(あいつら……相当飲ませやがったな)

「ふ……んん」

 眠ったままの美名が無意識に抱き付いて来る。綾波はビクリと震えた。
 無防備な美名をこの場で組み敷きたくなる。
 欲望を必死に抑え、顔を逸らし窓の外の夜の景色に目をやった。
 マンションに到着し、美名を抱えてタクシーから降りてエントランスへ上がりエレベーターに乗り込む。

(酒を飲まされた他に、何かされていないだろうな……?)

 いても立っても居られず部屋のドアを乱暴に開けた。
 中へ入り、美名を寝室のベッドへ寝かせた。


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