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eyes to me~ 私を見て
第60章 歌姫の覚悟

それぞれタクシーを捕まえ、皆はポキノン編集部に到着した。
ペコが待ち構えていて、一同を応接室に案内する。
「お茶を用意して来ますから……お待ちくださいね。堺ちゃん、手伝って?」
堺を引っ張り給湯室に行き、棚から来客用のカップをガチャガチャと引っ張り出した。
「お紅茶にしましょうかしらね~丁度頂いたマドレーヌもあるし……」
「い、いいんですか?呑気にお茶なんてしてる場合ですか~?」
堺は大きな盆を持ってオロオロする。
ペコは予め沸かしていた湯をカップに入れ、ティーバッグを手際よく落としていく。
「ほら、堺ちゃん、色が出たらティーバッグ救出!」
「は、はいっ」
堺は手伝いながら、尚も狼狽える。
「だから、こんな事をしてていいんですか!?」
ペコは、マドレーヌを一つ堺の口に突っ込んだ。
堺は目を白黒させて口をモゴモゴさせる。

